時計の中の瞳 – 第6章: 時計の秘密

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公園の入口に立つと、エリオットの心臓は高鳴りを隠せなかった。彼は今までの出来事や手紙の内容を思い返しながら、再び公園の奥へと進んでいった。

彼が目指すのは、夢の中で目撃した場面、そしてローランド・グレイヴズが何かを埋めたとされる場所だった。彼の足元は、前回掘り返した土の痕跡を感じることができた。彼はシャベルを手にし、再びその場所を掘り始めた。

しばらくすると、エリオットのシャベルが硬いものに当たった。彼はその場所を慎重に掘り進めると、小さな木製の箱が出てきた。彼は箱を持ち上げ、蓋を開けて中身を確認した。

箱の中には、いくつかの遺品が収められていた。古びた手帳、シルバーのペンダント、そして古い写真が入っていた。写真には、ローランド・グレイヴズと思われる男性と、彼の家族が映っていた。

エリオットは手帳を手に取り、中身をめくった。手帳には、ローランドの日常の出来事や、彼の考え、そして時計に関する記述が詳しく書かれていた。



彼は特に、時計に関する部分を注目して読み進めた。手帳の中には、ローランドが時計を手に入れた経緯や、それに関連する古い伝説、そして時計にまつわる呪いについての記述があった。

特に興味深かったのは、ローランドが時計を手に入れてから、彼の周りで奇妙な出来事が起こり始めたという部分だった。彼は手帳の中で、自分の家族や友人たちが、次々と不幸な事件に見舞われる様子を綴っていた。

エリオットは、手帳の最後のページに目を向けた。そこには、ローランドの手によって、彼の絶望と悔恨が詳しく書かれていた。

「私は、この呪われた時計のせいで、大切な家族を失ってしまった。そして、私自身も、この呪いから逃れることはできないと確信している。私は、この公園で、時計と一緒に私の遺品を埋めることにした。」

「私は、この手帳を通して、後の世にこの時計の呪いを伝えることができればと思っている。そして、私の家族や友人たちが犠牲になったことを、決して忘れないでほしい。」

エリオットは、手帳を閉じると深く息を吸った。彼は、この手帳がローランドの失踪や彼の家族の死についての真実を示しているのではないかと確信した。

彼は、手帳と写真を大事に保管するために、自分のバッグに入れた。そして、公園を後にし、次の手がかりを求めて、ローランドの家を訪れることに決意した。