エリカはその場に立ち尽くし、手の中のペンダントを見つめた。失踪事件に関わる物がこんな場所にあるなんて、偶然ではない。頭の中で何かが繋がる感覚がした。
ペンダントを慎重にバッグにしまい、森の中をさらに進もうとしたときだった。突然、誰かの声が聞こえた。
「ここで何をしている?」
エリカは驚いて振り向いた。そこには、老人が立っていた。彼は杖を持ち、鋭い目つきでエリカを睨んでいる。
「えっと、私はただ……」
「ここは呪われた森だ。そんなところをうろつくもんじゃない。」
老人の声は低く、威圧感があった。エリカはペンダントのことを隠すようにバッグを押さえながら、「ただの好奇心で来ただけです」と答えた。しかし、老人の目は鋭く彼女を見据えている。
「祠に触れたのか?」
その言葉に、エリカは息を呑んだ。「触れてはいけない」という意味を含むような言い方だったからだ。
「ええ……少しだけ。でも、何も壊していません。」
「触れるなと言ったろう。あそこは何も知らん者が近づく場所ではない。」



















