慶太郎は緊張しながら、対怪獣部隊の本部へと足を踏み入れた。周囲は厳かな雰囲気に包まれ、彼の心臓は高鳴っていた。目の前には巨大な建物がそびえ立ち、銃火器を携えた警備員たちが見守る中、部隊の入口に向かう。慶太郎は、ここがこれまでの自分の世界とは全く異なる場所であることを実感した。
「ここが…対怪獣部隊の本部か…」彼は小さく呟き、入り口をくぐった。ロビーには多くの人々が行き交っており、装備を身に着けた兵士や科学者らしき人たちが忙しそうに動き回っている。彼の目は次々と新しい情報を捉え、好奇心でいっぱいになった。
「おい、君が石空慶太郎か？」突然、背後から声がかけられた。振り向くと、身長の高い男性が立っており、冷静な目で彼を見つめていた。男性は厳しそうな表情を浮かべているが、その目にはどこか優しさが感じられた。
「はい、僕が石空慶太郎です。」慶太郎は緊張しながらも答える。
「初めまして、僕は黒瀬信也、この部隊のリーダーだ。今日から君も我々の仲間として戦うことになる。」信也は握手を求めて手を差し出した。慶太郎はその手をしっかりと握り返し、緊張を隠すように頷いた。
「よろしくお願いします。」慶太郎は少しの戸惑いを感じながらも、礼儀正しく挨拶をする。周囲のメンバーたちは彼を観察しているようで、ちらちらと視線を投げかけてくる。彼らの表情には、歓迎の笑みもあれば、疑念の色も見て取れた。