第7話: 超自然現象の増加
カズキとヨシオは重苦しい空気の中を車を走らせていた。目的地は、多くの都市伝説が語られる廃墟となった旧病院。二人の間には緊張が流れ、カズキの手に握られたステアリングはわずかに震えていた。
「この辺り、昔からちょっとした怪談の場所として有名だよね。」ヨシオが話す声にはやや緊張が混じっていた。
カズキはうなずきながら返事をした。「うん、だからこそアユミがここに興味を持ったのかもしれない。」
彼らが旧病院に近づくにつれ、不可解な現象が起こり始めた。最初はカーナビが狂い始め、設定したはずの目的地が次第にズレていく。次にはカー・ステレオが自動的にオンオフを繰り返し、ランダムにチャンネルが変わり続けた。
「これは…何だ?」カズキが戸惑いを隠せないでいる。
「機械の誤作動か、それとも…何かが俺たちを迎えに来たんだろうか。」ヨシオが半ば冗談交じりに言うが、その声には明らかに恐怖が含まれていた。
車を降り、廃墟へと足を進めると、二人はさらに奇妙な体験をすることになった。カズキは視界の隅に黒い影がチラつくのを捉え、耳元で囁くような声が聞こえたとき、彼の体がぞっとするのを感じた。