にじいろのうさぎと魔法の森 – 前編

 モモはびっくりして飛びのきますが、体の色は元に戻りません。それどころか、不思議な力が体の中からわき上がってくるのを感じました。軽やかに宙を跳べるような、光の玉をつくれるような、不思議な魔法の力でした。

「どうしよう。でも、なんだかワクワクするなぁ…」

 そしてモモは、虹色に染まった自分の体を見ながら、森に戻ってみんなに会いに行くことにしました。最初はきっと驚かれるだろうけど、新しい不思議な力で何か手助けができるかもしれないと思ったからです。

 森を歩いていると、さっそくリスの兄弟に出会いました。リスたちは顔をくるりと向けた瞬間、「あれ? モモ? どうしてそんなにカラフルになってるの?」と目をぱちくりさせます。

「えへへ、実はね、変な泉を見つけて、そしたらこんな姿になっちゃったんだ。ぼくにもよくわからないんだけど、不思議な力が使えるようになったみたい」

 モモがぴょん、と一跳びすると、ふわりと宙に浮かぶように軽やかに飛びました。それを見たリスの兄弟は大喜び。

「すごいよ、モモ! 空を飛べるなんてうらやましいなあ。でも、いまちょうど困ってることがあるんだ。もし力を貸してくれるなら、助けてもらえないかな?」

「もちろん! 何があったの?」

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