幽霊塔 – 第1話

それから数週間後、富士原とそのチームは遺跡の深部にある広大な石室を発見する。その壁には詳細なヒエログリフが無数に刻まれ、それはまるで古代の図書館のような雰囲気を醸し出していた。チームはその壮大さと美しさに圧倒されながらも、一人ひとりが自分の専門分野を駆使し、解読と調査に励む。

その中でも、言語学者の佐藤は石室の壁面に描かれたヒエログリフに熱心に取り組む。その彼が突如、大きな声をあげた。「これは…幽霊塔の場所が記されている!」と。

彼の声に驚き、チームの全員が佐藤の元へ集まった。彼が指を向けた場所には、塔を示すと思われる記号と、それを取り囲むような形で描かれた地図があった。それはまるで、ある特定の場所に幽霊塔が存在することを示しているかのようだった。

富士原はその瞬間、胸が高鳴った。これがまさに自分たちが求めていた手がかりだった。彼はチームに向けて、「これが幽霊塔への道しるべだ。我々の目的地はもうすぐそこにある」と言った。

しかし、その瞬間、突如として一つの異変が起きた。言語学者の佐藤が突然倒れてしまったのだ。それまで精力的に働いていた彼が、一瞬で白い顔をして倒れる。その様子はまるで力が抜けたかのようだった。



富士原とチームはすぐに佐藤の元へ駆け寄り、彼の容体を確認した。しかし、佐藤の体温は異常に高く、意識も朦朧としていた。富士原はすぐに医学者の山口に指示を出し、佐藤の診断を行った。

結果は衝撃的だった。山口によると、佐藤は未知の病に冒されているらしい。その病状は今までに見たことがないもので、現在の医療技術では治療方法が見つからないという。

この事態に、富士原とそのチームは戸惑いを隠せなかった。しかし、それ以上に彼らが感じたのは、佐藤が倒れた原因が何かに気づいてしまった恐怖だった。それはまるで、幽霊塔の存在を確認しようとする者に対する警告のように思えてならなかった。

それでも富士原は動じなかった。彼は「これが試練なら、我々はそれを乗り越えるだけだ」と言い、仲間たちを奮起させた。そしてチームは、佐藤の病気の原因を突き止め、そして幽霊塔への道を切り開くために再び立ち上がった。彼らの冒険は、これからが本番だった。

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