赤い蝶と青い鳥 – 第3章

第1章 第2章 第3章 第4章 第5章 最終章

「これは……」

佐藤は、目の前の光景に息を呑んだ。彼は、山田美咲の遺体が埋められた場所を探し出して、そこに向かっていた。しかし、そこで彼が見たものは、美咲の遺体だけではなかった。

「もう一つの遺体……」

佐藤は、その言葉を呟いた。美咲の遺体のそばには、もう一つの遺体があった。その遺体は、女性のものだった。そして、その女性は、佐藤がよく知っている人物と瓜二つだった。

「中村絵里子……」

佐藤は、その名前を呼んだ。絵里子は、高橋が最新作「赤い蝶」に登場するキャラクターだった。そして、絵里子は、「赤い蝶」で高橋と同じ手口で殺されるキャラクターだった。

「なぜ……」

佐藤は、理解できないという思いで、絵里子の遺体を見つめた。絵里子は、高橋の小説では彼と同じ手口で殺されるが、実際には彼よりも先に殺されていたことが判明した。



「どういうことだ……」

佐藤は、考えを巡らせた。高橋が絵里子を殺した後、自分も同じように殺される小説を書いたことで、犯人に気づかれてしまったということなのか?それとも、高橋が絵里子を殺したことと自分が殺されたことには別の理由があるのか?

「調べなくては……」

佐藤は、そう言って、絵里子の遺体を詳しく調べた。すると、彼は衝撃的な発見をした。

「これは……」

佐藤は、絵里子の首に巻きつけられていた細い針金を見つけた。それは、「青い鳥」という高橋が考案した独自の殺人方法だった。

「青い鳥……」

佐藤は、その言葉に目を見開いた。「青い鳥」は、「赤い蝶」と同じく、高橋が書く小説の中では常に犯人不明のまま終わっていた。高橋は、「青い鳥」を使った殺人事件を次々と起こす犯人の正体を暗示するようなメッセージを小説に仕込んでおり、読者に推理させるという趣向だった。

しかし、「青い鳥」で殺されるキャラクターは、「高橋和彦」という名前や、「茶髪ショート」「眼鏡をかけている」という特徴を持っていた。それは、高橋が書く小説の中で唯一自分自身を登場させたキャラクターだった。

タイトルとURLをコピーしました