人物は写真に視線を注ぎ、そっと頷いた。そしてポケットから古びた白黒写真を取り出し、玲に手渡す。
「これが、お前に託すべきものか……。だが次に何をすべきかは教えておく。暗く深い地下に眠る秘密を暴き、ペンダントの呪縛を断ち切れ。次の犠牲者は既に決まっている──それは町の有力者かもしれぬ」
言葉を残し、人物は静かに夜の闇に溶け込んでいく。玲は写真と資料を胸に抱え、再び波打ち際へ視線を戻した。淡い月光に照らされる海面には、箱を拾った高橋の姿が小さく浮かぶ。
「……次はお前と協力しよう」
玲は写真を握り締め、決意を新たにする。遠ざかる波の音が、新たな調査の兆しを告げているかのようだった。そして彼の背には、夜明けとともに迫るさらなる謎の影が重くのしかかっていた。
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