竪琴奏者ルークとの出会い
アキラとリーナは王都へと到着し、宮廷で開催される音楽コンテストに足を踏み入れた。広間には様々な楽器が並び、各地から集まったミュージシャンたちが調律を整えていた。アキラはその光景に胸を高鳴らせながら、参加者たちの音楽スタイルを観察し始めた。
「ここには、たくさんの才能が集まっているんだね」とアキラはリーナにささやいた。
「ええ、王都での音楽コンテストは、国内でも特に名誉あるイベントですから。皆、ここで演奏するために精一杯の練習をしてきたのでしょう」とリーナはうなずいた。
やがてコンテストが始まり、最初の奏者が舞台に上がった。彼は笛の名手であり、精霊たちと共に美しいメロディーを奏でた。続く演奏者たちも次々と登場し、独自のスタイルで審査員たちを魅了していく。アキラはそのすべての演奏に耳を傾け、各自のスタイルが持つ可能性を探っていた。
しばらくして、次に登場したのは竪琴を携えた青年だった。彼の名前はルークといい、王家に仕える竪琴奏者として知られていた。彼が奏で始めると、伝統的な旋律が広間に響き渡り、審査員たちを瞬く間に魅了した。竪琴の音色は、穏やかな風のように心地よく、精霊たちもそのメロディーに合わせて踊っていた。