陽斗たちは、長い戦いを経た後、遂に連合勢力と共に闇の本拠地へと向かう行軍の途上に立っていた。薄暗い空は不穏な雰囲気を漂わせ、足元の大地には、戦火の爪痕が刻まれている。風は冷たく、まるで未来への不安と希望を同時に告げるかのように吹き抜ける。各勢力の旗印が並び、兵士たちの緊迫した面持ちが、戦いへの覚悟を如実に物語っていた。
「ここまでの道のり、決して無駄ではなかった。全員、心を一つにして進むんだ」
ロレンスが重い口調で仲間に呼びかけると、エリナは静かに頷きながら、「この先に待つ試練は、我々がこれまで積み重ねた全ての経験が試される時。希望と絶望が交錯する戦いだ」と付け加えた。ミカエルは、かすかな笑みを浮かべながらも、真剣な眼差しで地図を見つめ、「我々の連携があれば、どんな大軍も打ち砕ける。今こそ、全員の力を結集しよう」と宣言した。
行軍の途中、陽斗はふと、これまで自らの領域能力が蓄積されてきた感覚に気付いた。数々の戦いの中で、彼の中に眠っていた力が、今や究極形態への兆しを見せ始めていた。胸の奥で渦巻くエネルギーは、これまでの技「重力領域」だけでは語り尽くせぬほどの力へと変貌しようとしていた。彼は自らの内面に耳を傾けながら、ひそかに呟いた。「今こそ、俺の真の力を解放する時だ……」
