正午。監査院中庭。
破壊された回廊の瓦礫を背に、私たちは石段に腰を下ろした。
ティリアが最後の矢を眺めながら苦笑する。「結局一本残ったわ」
ガルドは大剣の欠けを見て「記念に取っとくか」と豪快に笑い、リリィは歯車を全部ばらしてから「また組み直せる」と涼しい顔。
クラリス支部長は包帯を巻いた腕で拍手し、私に向かってウインクした。
「さすがは窓口係。数字の締めは完璧だったわね」
「いえ、みんながいなければ回らなかった帳簿です」
私は笑いながら、焦げ痕だらけの帳簿を撫でた。
そこへマリエルが歩み寄り、真新しい書状を差し出す。


















