異世界冒険者ギルドの日常 – 第6章:後編

 正午。監査院中庭。

 破壊された回廊の瓦礫を背に、私たちは石段に腰を下ろした。

 ティリアが最後の矢を眺めながら苦笑する。「結局一本残ったわ」

 ガルドは大剣の欠けを見て「記念に取っとくか」と豪快に笑い、リリィは歯車を全部ばらしてから「また組み直せる」と涼しい顔。

 クラリス支部長は包帯を巻いた腕で拍手し、私に向かってウインクした。

「さすがは窓口係。数字の締めは完璧だったわね」

 「いえ、みんながいなければ回らなかった帳簿です」

 私は笑いながら、焦げ痕だらけの帳簿を撫でた。

 そこへマリエルが歩み寄り、真新しい書状を差し出す。

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