日が高く昇る頃。
食堂を兼ねた広場では、織り直された生地が春風に揺れていた。焦げ跡はほとんど目立たず、美しい桜色の光沢を帯びる。
「ミスリルが熱で酸化してピンクに? 面白い副作用だね」
リリィは感嘆し、ティリアは袖を通してくるくる回った。
「淡い桜色、悪くないわ。王都の宮廷ドレスにも負けないかも」
ガルドは前開きのベストをばさりと羽織り、「重さを感じねぇ!」と大喜び。
カミルはポーションを受け取り、包帯を巻いた腕を動かして深くお辞儀した。
「いつか僕も“定食隊”に入れるくらい強くなります!」
「まずは窓口で日報の書き方を覚えてね」と私は笑い返す。



















