大空の船 – 第4章 後編

夜になり、島の小さな囲炉裏を囲みながら、クルーたちは疲れ切った体を少しだけ休める。ざわつく胸の内を話し合うかのように、寄り添うように座る。

「ガイウス……古代の飛行技術を利用しているって、かなりやばいんじゃない? もし本当に強力な兵器を持ってたら、まともにやり合う前に落とされちゃうよ」

リタは焚き火を見つめながらぼそりと零す。ライナスはその言葉にうなずき、「ああ、俺も噂程度に聞いたことがある。どこかの遺跡で発掘した力だとか」とさらなる不安を口にする。

「紅蓮って呼ばれるくらいだ。火力で圧倒するスタイルなんだろうな。あの一撃でここまで被害が出たんだから、もし本格的な艦隊を組まれてたら……」

そう語るラウルの声にも険が混じっている。

アレンは火に当たりながら、皆の言葉を黙って聞いていた。そして静かに口を開く。

「俺たちには、まだ何もない。強力な武器も、人を守れるだけの力も……それでも、空を諦めるつもりはない。古代技術ってのが本物なら、きちんと使えば、もっと人を幸せにできるはずだ」

その意志を感じ取り、リタは穏やかに頷く。ライナスとラウルも複雑な表情ながら、同じ方向を見つめるように視線が合った。

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