大空の船 – 第6章 後編

アレンが叫ぶや否や、床が崩れて穴が開き、周囲に尻餅をつく者が出る。必死に転がって難を逃れたが、その穴の下はかなりの深さがありそうだ。ラウルが間一髪でリタの腕をつかみ、落下を防いだ。

「むやみに装置を起動すれば、こういうトラップが発動するってことか。危なかった……」

リタは肝を冷やしつつも、どこか感触を確かめるようにパネルを見つめる。ソエンたち若者は、「やはり中枢は侵入者を排除する仕掛けがあるのか」と唇を噛む。長老は背後で腕を組みながら、「だから言っただろう。封印されてきたのには理由がある」と苦い顔をする。

それでも一行は先へ進むことを決める。アレンはラウルに声をかけ、「罠を踏まないように気をつけよう。ライナス、床や壁に異変がないか見回してくれ」と指示。リタはパネルに刻まれた古代文字を手がかりに、「罠の解除方法が分かるかもしれない」と再度解析を始める。ソエンや若者たちも、手分けして通路の安全を確保しながら奥へと突き進む。

途中で何度か小規模な地震のような揺れや、吹き出す蒸気の罠に見舞われるが、協力し合うことで何とか乗り越える。そしてさらに深部へ到達すると、そこには大きな石棺のように見える構造体が鎮座していた。中央に浮遊石と水晶が埋め込まれており、淡く鈍い光を放っている。

「これが、都市の浮力を制御する“核心”なのかもしれない……」

アレンは息を呑むように呟き、リタも興奮混じりに「うまく応用できれば、アルバトロスのエンジンを強化できるはず。けど、どうやって触ればいいの?」と首をかしげる。

そのとき、長老が重々しい足取りで前へ出る。

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