その言葉に、家族全員が一瞬戸惑った。特に沙耶は、兄の変貌に不安を感じた。彼女は、これまで雄介を侮ってきたが、今目の前にいる兄は、以前とはまるで違う存在に見えた。
「何を言ってるの?雄介、まさか本気で…」
沙耶が言いかけたその瞬間、雄介は手をかざし、彼の体から強力な魔力が放たれた。室内の空気が震え、周囲にある物が軽く揺れ動いた。両親は驚愕し、沙耶もまた目を見開いて兄を見つめた。
「これは…一体どうやって…」
沙耶の声は震えていた。彼女は、兄がこんな力を持っていることを想像すらしていなかった。これまで魔法を一度も使えなかったはずの雄介が、突然これほどの力を持ち始めたことが信じられなかった。
「どうやって、そんなことできるようになったの?」
沙耶の問いに、雄介は静かに答えた。
「お前には関係ない。ただ、俺が今何を持っているか、それを理解してもらえばそれでいい」

















