壊れたオルゴール

薄暗い校舎の隅、埃まみれのオルゴールが静かに佇んでいた。かつては美しいメロディーを奏でていたはずなのに、今はその音色は失われ、ただ壊れた機械として存在するだけだった。

ある日、放課後の掃除当番だった私は、そのオルゴールを見つけた。埃を払い、ゼンマイを巻くと、かすかに軋む音が聞こえた。しかし、音楽は流れ出なかった。

「壊れてるんだ…」

落胆してオルゴールを置こうとした時、私は奇妙な光に包まれた。目を覚ますと、私は見知らぬ場所に来ていた。そこは、緑豊かな草原と青い空が広がる美しい世界だった。

「ここはどこ…?」

私が辺りを見渡していると、一人の少女が現れた。少女は長い銀色の髪と澄んだ瞳を持つ、まるで妖精のような美しさだった。

「ようこそ、オルゴールの世界へ。」

少女は微笑みながら私に語りかけた。

「あなたは、壊れたオルゴールを修理するために選ばれた人なの。」

私は驚きと戸惑いを隠せなかった。なぜ私が…?

「でも、私は何も…。」

「大丈夫。あなたならできるわ。」

少女は私の手を優しく握った。その温かさに、私は勇気をもらったような気がした。

「オルゴールを修理するには、3つの鍵を見つける必要があるの。」

少女はそう言って、3つの鍵の在り処を示す地図を渡してくれた。

「鍵は、それぞれ異なる場所にあるわ。困難な道のりになるかもしれないけど、諦めずに進んでください。」

私は地図を手に、オルゴールの修理を決意した。