雪の旋律に響く心 – 第2章

カイトは秀次の言葉に頷きながら、さらに弦をかき鳴らした。音楽は言葉を超えて、二人の心を繋げていくようだった。

その頃、スタジオの外で待機していた洋平は、二人のレコーディングの様子を見守っていた。カイトの音楽に対する姿勢が変わりつつあることを感じ取ると同時に、その内面にある不安や葛藤も察していた。「カイト…お前が本当に望んでいるものは何だ?」洋平は心の中で問いかけた。

カイトの才能を信じ、彼の成功を誰よりも願ってきた洋平。しかし、彼が今直面しているのは、カイト自身が何を求めているのかを理解することだった。洋平はカイトが再び迷い始めていることを察し、彼を支えるために自分ができることを考え始めた。

「俺は、カイトのために何ができるんだろう。」洋平はそう思いながら、決意を固めた。カイトが自分の道を見つけ出せるように、彼はどんなことでもする覚悟だった。

スタジオの中では、カイトと秀次が再び音楽に向き合い続けていた。カイトの指先から生み出されるメロディーが、雪のように静かに降り積もり、彼らの心を包み込んでいく。カイトは自分の中で燃え上がる新たな情熱を感じながら、同時にそれが何を意味するのかを問い続けていた。

第1章 第2章

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