聖夜に注ぐレクイエム – 12月22日

「中村拓也を探し出す必要があるな。」

「ただ、彼の居場所は依然として不明です。」

「なら、彼の周辺を調べるしかない。」

片桐はその間も怜子の日記や手紙を読み進め、彼女の心情を探っていた。彼は、怜子が脅迫されながらも「真実を伝えたい」という思いを持ち続けていたことを知り、胸が締め付けられるような思いになった。

「怜子さんは、それでも逃げなかったんですね……。」

片桐の呟きに、陸は静かに頷いた。

「彼女が伝えようとしていたのは、ただの真実じゃない。それは、誰かの未来を変える力を持つものだったんだろう。」

二人はそれぞれの思いを胸に秘めながら、真実に迫るための新たな一歩を踏み出す準備をしていた。怜子の失踪、そして10年前の火災事故。その影に潜む真犯人の姿が、少しずつ形を成してきていた。

12/15 12/16 12/17 12/18 12/19
12/20 12/21

タイトルとURLをコピーしました