異世界農業革命 – 第2話

 男は一樹を値踏みするようにじろりと睨む。その姿に驚いた一樹が一瞬たじろぐと、エリアスが慌てて間に入った。

「ガイ、落ち着いて。彼は大河一樹さん。村を手伝ってくれるって人だよ。」

「ふうん、そいつはありがたいこった。すまんが、俺はガイ。盗賊や魔物の襲撃から村を守る護衛役だ。最近はこの村も、モンスターがちょくちょく現れて手が離せねえ。エリアスだけじゃ手が足りねえからな。」

 ガイは不愛想な口調だが、どこか憎めない雰囲気を持っていた。彼なりにエル・リーフ村を大事に思っているらしく、荷物の運搬や見回りなどを率先して引き受けているという。

「まあ、厳しい状況だけど、俺たちが守らねえと村はすぐ滅んじまう。モンスターも盗賊も容赦ないからな。特に食料が足りないとわかれば、あいつらはさらに狙ってくるだろうし……気が抜けねえよ。」

「なるほど、食料不足が村の外にも知れ渡れば、思わぬ災いを招きかねませんね。」

 そう頷く一樹を、ガイは鋭い目で見ながら少し笑う。「おまえ、見たところそんなに強そうには見えねえが……もしも襲撃がきたらどうするんだ?」

「正直、戦いは得意じゃないんです。けど、畑や村を守るためにできることは、全力でやります。」

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