異世界農業革命 – 第2話

 その答えを聞いたガイは、あからさまに渋い顔をしたが、それでも最後には小さく頷いた。「ふん、まあ、やる気だけは認めてやるよ。困ったら呼んでくれ。俺も農業のことはまったくわからねえが、護衛くらいはしてやれるからな。」

 こうして一樹は、エリアス・シルヴィア・ガイという新たな仲間たちと出会った。村長代理として村の行く末を思い悩むエリアス、魔力による土地の再生を研究する見習い魔法使いシルヴィア、そして盗賊や魔物から村を守る剣士ガイ。それぞれが必死に村を支えようとしているが、今のところ成果は出ていない。

 一樹は自分の経験を活かせる部分はどこなのか、頭の中で可能性を巡らせる。例えばシルヴィアと協力して、新たな農業技術の導入と魔力活性を同時に試してみる。エリアスには村の統治や人員の采配をお願いして、作物の試験区を増やす。ガイには護衛だけでなく、地形調査など力仕事を手伝ってもらう。やるべきことは山のようにあるが、やりがいも十分にある。

 気がかりなのは、魔力が枯渇した土地が本当に元に戻るのかという点だ。だが、失敗を恐れていても始まらない。一樹はエリアスたちの前で、自分の考えを簡潔に伝えた。「土壌改良をベースに、魔力循環を回復させる方法を一緒に考えましょう。まずは小規模の実験から始めれば、徐々に手応えが得られるかもしれません。」

「わかりました。一樹さんの指示に従います。どうかこの村に、もう一度作物が実る日をもたらしてください。」

 エリアスの言葉に、シルヴィアもガイもそれぞれの想いを秘めて頷く。こうして、前途多難なエル・リーフ村再生への第一歩が、本格的に動き始めようとしていた。

プロローグ 第1話

タイトルとURLをコピーしました