陽斗たちは、村での激闘を終えた後、日が沈む前に集合地点に戻った。傷の手当てが済み、互いの顔には安堵と新たな決意が浮かんでいた。広場に集まった仲間たちは、これから始まる未知なる旅路について、各々の思いを口にする。
「ここでの戦いで、皆が見せた力と連携、素晴らしかったな」
ロレンスは、厳しい表情のままもどこか温かい眼差しで仲間たちを見渡しながら語った。
「でも、村の外にはもっと大きな謎が潜んでいる。あの魔獣の襲撃は、ただの始まりに過ぎないような気がする」
エリナは杖を握りしめ、空を見上げながら静かに頷いた。
「確かに、昨夜見たあの空の異常な変化、まるで自然の法則が乱れているようでした。急激な天候の変化も、単なる偶然ではなさそうです」
ミカエルは、遠くの森を指差すと、低い声で語った。
「私も、旅の途中で不思議な現象に遭遇した。道中、時折、空間が歪むような場所があった。あの場所は、まるで時が狂っているかのようだった」
陽斗は、胸の内に芽生えた覚悟を感じながら、皆に向かって力強く言った。
「僕たちは、散らばる異変の原因を探るために旅に出よう。ここで得た経験や力を、これからの試練に活かしていくんだ」
その言葉に、ロレンスは剣を鞘に収めながら頷き、エリナもまた真剣な眼差しで仲間を見つめた。