ミカエルの叫びに応じ、エリナは一気に集中力を高め、強力な光の矢を幻獣に放った。光の矢は、幻獣の体に命中し、徐々にその力を削ぎ落としていく。ロレンスもまた、剣を振るい、幻獣の弱点を狙って連続攻撃を仕掛けた。
数分の激しい戦闘の末、幻獣はついに倒れ、その体は光の粒子となって消え失せた。仲間たちは息を整えながら、戦いの結果に安堵した。
「見事だ、陽斗。君の力がなければ、あの幻獣には勝てなかっただろう」
ロレンスが陽斗に向かって深い敬意を込めて言うと、エリナも優しく微笑んだ。
「私たちは、こうして古代の試練を乗り越えることで、さらなる知識と力を手に入れていくのね」
戦闘後、再び館内の調査に戻った一行は、幻獣との戦いで得た余震を胸に、古代書物や碑文の解読に励んだ。ミカエルは、古文書の断片を組み合わせながら、かつての選ばれし者たちがどのようにして領域能力を受け継ぎ、虚無の王に対抗するための封印を施したのか、その経緯を紡いでいった。
「この記述によれば、英雄たちは自らの命を犠牲にして、力を封じ込めるための呪文を唱えた。そしてその呪文は、我々にも伝わるべき力の源となるはずだ」
と、ミカエルは真剣な面持ちで語った。
