星降る夜の奇跡 – 最終話

「まだまだ俺も勉強中だし、もっと星のことを深く知りたい。星座の神話や観測技術もそうだけど、それ以上に、やっぱり星を見て喜んでくれる人の顔を見られるのが嬉しいんだよな」

「うん、私も。わたしたちにとっては当たり前になりつつある星空だけど、やっぱり初めて見た人にとってはすごく感動的なんだよね。夜空を見上げて『わあ!』って声が上がると、こっちまで幸せになれる」

サヤは微笑みながらそう言って、ユウタの肩に自分の肩を寄せる。縁側からは虫の声がわずかに聞こえ、空は澄みきった藍色をたたえていた。無数の星たちが瞬く光景は、何度見ても飽きることがない。けれど、ただ美しいだけではなく、これからの道を照らしてくれる大切な指針のような存在でもある。サヤとユウタは、そこに広がる無限の輝きに夢や希望を重ね合わせていた。

「ここで暮らしてると、やることは山ほどあって、正直大変なこともある。でも、一人じゃないから頑張れるんだよね」

サヤがそうつぶやくと、ユウタは優しく微笑んで「俺も同じ気持ちだよ」と返す。昔は夢を諦めかけていたユウタ、そして都会で迷子のように過ごしていたサヤ。そんな二人が星の下で出会い、新たな道を見つけ出して進もうとしている。この先、予期せぬ困難や壁にぶつかることもあるだろうが、今の二人ならそれらを乗り越えられると信じられる。

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