古びた手紙の秘密 – 第3話

「祖母も、送れなかった手紙をずっと抱えたままだったんだと思います。私は、あの人が何をどう考えていたのか知りたくて……それが、祖母に対する孫としての務めのような気がして。」アカリはそう語りながら、テーブルの上で指を組み合わせる。「もしかしたら、祖母は幸せだったのかもしれない。でも、ひょっとすると本当の気持ちを飲み込んで生きてきたんじゃないかと考えると、どうしても知りたくなるんです。ばあちゃんがどんな想いを、誰に抱いていたのかを。」

カズマは苦しげに目をつぶると、「人によっては、過去を掘り返すのは良くないと言うだろう。むしろ私も、これまでそうやって自分を納得させてきた部分がある。もう時効だと。けれど、あなたの気持ちもわかる。あの人がどんな気持ちで一生を過ごしたのか、私もずっと知りたかったんだ。だけどもう、会うこともできない。今さら遅いんだが、後悔は消えないものだな……」と落ち着いた声で話す。その姿はどこか悲しく、また不器用な優しさをまとっていて、アカリは自分でも説明できない親近感を覚える。

アカリは一度深呼吸をしてから、「カズマさん。これからも、祖母のことをいろいろ聞いてもいいですか? 正直なところ、私はあまりにも何も知らなさすぎるんです。祖母とカズマさんがどんな日々を過ごして、どうして離れ離れになったのか……知りたいんです」と改めてお願いした。カズマは低くうなずき、「私も話せる範囲であれば、応えよう。だが、今はまだ気持ちが整理できそうにない。すまないが、少し時間をもらえないか」と視線を落とす。アカリはその言葉に無理は言えず、「もちろんです」と伝えてから店をあとにした。

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