古びた手紙の秘密 – 第3話

一見すると対立のように見えた二人の会話は、祖母に対する気持ちを改めて確かめ合う時間でもあった。母も祖母の死を受け入れるのに精一杯で、まだ余裕がないのだろう。それでも、小さな衝突を経て、アカリが祖母の気持ちを知りたいという願いを真剣に抱いていることは伝わったようだ。写真に写る祖母とカズマの姿は、これまで知らなかった“家族の物語”を語りかけてくる。アカリは、母との摩擦を感じつつも、次に何をすべきかを考え始める。祖母が秘めていた恋の真実を追いかける行為は、誰かを傷つけることになるのかもしれない。それでも、祖母の人生を知ることは、孫である自分に課された使命のようにも思えた。

母と一緒に写真や手紙を整理していると、アルバムの隙間から小さな切り抜きのような紙が顔を出した。それは昭和のある年に開催された港町の夏祭りのチラシで、そこには日付と「七夕祭り」と書かれている。祖母はよく「夏祭りが一番好き」だと言っていたが、その理由をアカリは聞いたことがなかった。もしかすると、その思い出もカズマと関係しているのだろうか。

さまざまな断片が少しずつ繋がり始めているように感じながらも、まだ一つひとつの意味がはっきりとは見えない。アカリは父の部屋や物置きも探してみる必要があると感じたが、それは少し後にとっておこうと思い、アルバムをそっと閉じた。

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