古びた手紙の秘密 – 第3話

夜になり、実家のリビングで母に今日あったことを報告する。カズマと再び会ったこと、祖母の未送の手紙や写真の存在を伝えたこと、そして祖母の過去をもっと知りたいと自分が強く思っていることを。ところが、母は予想以上に露骨な戸惑いを見せる。「ねえ、そんなにばあちゃんの昔の恋を追いかけてどうするの? もう亡くなった人のことを、そこまでほじくり返さなくてもいいんじゃない? ばあちゃんだって、言いたくなかったことがあるから黙ってたんでしょう?」

母の言葉は一理あるし、無闇に他人の過去を暴いていいのかという戸惑いは、アカリの中にも少なからずある。けれど同時に、アカリの心の奥底には祖母の本当の気持ちを知りたいという願いが消えることなく燃えていた。「でも、ばあちゃんが本当に幸せだったのか、なぜカズマさんと結ばれなかったのか、私には気になるの。家族のことを知るって大事だと思う。たとえそれが辛い事実だとしても……」アカリがそう訴えると、母は少し言葉に詰まったようだった。

「それでも……」とつぶやきながら、母はテーブルの上の写真を一瞥する。そこには若き日の祖母が笑顔で並んでいる姿が写っている。しばし黙ったまま考え込んでから、「あなたの気持ちはわかった。でも、ばあちゃんが隠そうとしてきたことを、娘の私が知らなかったってことは、もしかしたら本人の希望だったのかもしれない。それを掘り返すのは抵抗があるわ。でも、もしあなたが本気なら、私も少しずつばあちゃんのこと、考えてみる。思い出せることがあれば話すから……」と小さく息をつく。

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