ニューロネットの夜明け – 第2章:ヴァル・セキュリティの影|後編

「もしかしたら、レオナルドに話せば、何か手助けしてくれるかもしれない。でも、今は企業人として政府にも近いはずだから、簡単に信じるわけにもいかない」

エリカはそう呟くと、歯を食いしばるように口を結んだ。

「どちらにせよ、奴の動向を探る必要がある。私がこのまま逃げ回るだけじゃ、真相には近づけないから」

ミアは作業の手を止め、エリカの決意を確認するように瞳を向ける。エリカが諦めないことはわかっていたが、潜入などという危険な計画に踏み切るのはためらいも大きい。

「本当にやるんだね?」

「やるしかない。誰も教えてくれないなら、自分で掴みに行くしかない。あの時の自分みたいに、チップの暴走に翻弄される人がまた出てきたらと思うと……黙っていられない」

短い沈黙の後、ミアは静かに息を吐いてから頷いた。

「わかった。私も腹をくくる。少なくとも技術面でサポートするから、変に無茶はしないようにしてね」

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