夜の記憶 – 第6章

その夜、エリカと田代は警察署で事情聴取を受け、捕まった男の取り調べが進められた。男は真壁圭介の指示を受け、エリカを脅して証拠を隠滅しようとしていたことを白状した。しかし、真壁の名前を出すことには極端に消極的だった。

「やっぱり真壁が……」田代が呟く。

「でも、これで証拠が少しずつ固まってきた。真壁さんを追い詰めるには、もっと直接的な手がかりが必要ね。」エリカは意を決して言った。

翌日、エリカと田代は再び月影の森を訪れることにした。真壁が何を隠そうとしているのか、彼を追い詰める証拠を見つけるためには、森の奥深くに足を踏み入れる必要があった。

森の中はいつも以上に暗く、ひんやりとした空気が二人を包み込んだ。静寂の中で足音だけが響く。

「祠を越えて、さらに奥にあると言われる『闇の入り口』。そこに何かがあるはず。」エリカは田代に地図を見せながら進んだ。

祠を通り過ぎ、さらに奥へと進むと、地面が急に傾斜を帯び、岩場が広がる場所にたどり着いた。その奥には洞窟のような入り口がぽっかりと口を開けていた。

「ここか……『闇の入り口』って……」田代が息を呑む。

エリカは躊躇しながらも、洞窟の中に足を踏み入れた。中は薄暗く、懐中電灯の明かりだけが頼りだった。壁には奇妙な模様が刻まれており、それが祠や石碑に刻まれていたものと一致していることに気づいた。

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