「そもそも、ミツルの死亡記録って信用できるのか？」
「警察のデータにもそういう記述があるらしいが、詳しい死因や確認方法まではわかっていない。もしかしたら、何らかの事情で偽装された死亡だったかもしれない。」
「偽装……。本当にミツルが生きているなら、この一連の事件への関与も濃厚だけど……。」
通話を終えたあと、アキラはどうにも落ち着かずに机へ向かった。パソコンを開こうとするが、頭の中は疑問符でいっぱいだ。ミツル本人が生きていて、赤い封筒を出しているとすれば、復讐劇の仕上げとして自分を追いつめているのか。あるいは誰かがミツルの名を利用して犯行を繰り返しているのか。両方の可能性を考えると、いずれにせよ恐ろしい結末を予感させる。
しばらくして、ユキノからも連絡が入った。彼女の声は急いており、聞くだけで嫌な胸騒ぎが広がる。
「先生、さっき速報で新しい殺人事件のニュースが出てました。まだ詳しくは報じられてないんですが、現場からまた詩が見つかったって……。」
「詩が……それって赤い封筒に書かれてるような？」
「報道じゃ断定されていないけど、ネット上の書き込みを見ると、かなり不気味な文面らしいです。警察はひとまず関連を調べているようですけど……。」
