ドクター・ローレンスは、古代の紋章が刻まれた映像の再解析結果をまとめた資料を手に取りながら、「このデータは、古代文明が持つ真の力と、その封印がどれほど壮大かを物語っています。私たちの探査は、単なる科学の枠を超えて、人類の歴史そのものに新たな一章を刻む可能性を秘めています。失われた命は、決して無駄にはならないのです」と、熱意とともに未来への展望を語った。
斎藤は、皆が揃った会議室の中で、静かにしかし力強く、これまでの全てのデータと記録を振り返りながら語り始めた。「我々は深海の叫び、その狂気と悲嘆の中で、何よりも大切なものを手に入れました。失われた仲間たちの命、そしてその記憶が、これからの挑戦の糧となる。全員、今日までの苦難と戦いの記録を胸に、次なる探査、次なる真実へと歩みを進めるのです」
その言葉が、会議室全体に重く、しかし温かな連帯感をもたらし、隊員たちは各自の任務に向け、改めて決意を新たにしていった。静かなる哀悼と、固い絆、そして未来への希望が、探査隊全体を包み込み、深海から帰還した彼らは、失われたものへの痛みを胸に、次なる挑戦へと一歩一歩確実に歩み出す準備を整えていた。
艦内の記録装置は、過去と未来を結ぶ架け橋として、探査隊が経験した全ての恐怖と哀悼、そして新たな探求への決意を今後何度も呼び起こすことになる。斎藤、中村、ローレンス、そして全ての隊員は、互いに励まし合いながら、これまでの戦いの余韻と失われたものの重みを胸に、未来への新たな旅路を模索していく。その静かな決意は、深海の叫びとともに、永遠に消えることのない記憶となり、やがて、次なる探査と真実への扉を開く鍵となるであろう。
序章：前編｜後編 第１章：前編｜後編 第２章：前編｜後編 第３章：前編｜後編
第４章：前編｜後編 第５章：前編｜後編 結章：前編｜後編
