聖夜に注ぐレクイエム – 12月21日

その時、陸の携帯が鳴った。電話の相手は三浦真知子だった。

「大沢さん、怜子さんの家を整理していたら、彼女の部屋から小さな鍵を見つけました。この鍵が何に使われるものなのか、私には分かりませんが……。」

「その鍵を今すぐ持ってきていただけますか?」

「もちろんです。」

その夜、真知子が署に持ち込んだ鍵を手にした陸は、日記の記述と照らし合わせながら考え込んだ。鍵には何の特徴もないが、怜子が重要視していたことは間違いない。この鍵が開ける先に、彼女の「真実」が隠されているのだろうか。

片桐は、その鍵を見つめながらポツリと呟いた。

「この鍵が、怜子さんの苦しみを解放するものなのかもしれませんね。」

陸は鍵を丁寧に保管すると、日記のさらなる解読と、鍵の行方を追う決意を固めた。怜子の記憶に封じられた真実が、少しずつ浮かび上がろうとしていた。

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