大空の船 – 最終章 後編

「今だ、ライナス!」

アレンが叫ぶと、ライナスは素早くロープを投げ、タレットの可動部を絡め取る。相手の兵士が狼狽する中、アレンは剣を抜いて斬りかかり、数名を押さえつけることに成功した。だが、肝心のガイウスは薄く笑いながら宙を跳んで後退し、別の銃を取り出すような動きを見せる。

「貴様ら、邪魔をしおって……ならば俺が直接叩き潰してやろう!」

紫電を帯びた銃弾が床を抉る。アレンはかろうじて横に飛び退き、髪をかすめるような衝撃に冷や汗をかいた。ガイウスの狙いは正確で、その一撃一撃が重い。ライナスがサポートしようとするが、ガイウスは機敏にステップを踏んで弾丸を乱射するため、動きが取りづらい。

「こいつ、本当に人間か?」

ライナスが苦くつぶやく。まるで古代の技術で身体能力を高めているかのように、信じ難い速さと力で指令室内を駆け回るガイウス。その背中からは、かすかに赤い光を放つ石が覗いている。古代都市でも見たような水晶に酷似しているが、何らかの方法で兵器化しているのかもしれない。

「古代技術をそうやって悪用して、空を混乱に陥れるなんて……絶対に許さない!」

アレンは身を低くして距離を詰め、ガイウスの横腹に一撃を狙うが、銃剣で軽々と弾かれ、逆に足を払われそうになる。ライナスが間に割って入ってロープでガイウスの腕を抑えようとするが、強靭な力で振りほどかれ、床に叩きつけられてしまう。

「く……ぐあっ!」

ライナスが痛みに呻く中、ガイウスは冷たい眼差しで二人を見下ろした。

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