和菓子の灯がともるとき – 12月28日 前編

二人で並んで棚を拭いたり道具を磨いたりしていると、自然と会話が弾む。由香が「都会での仕事って、最初はちょっと大変だったんだけど、慣れてきたら逆に時間に追われる生活が普通になっちゃって…」と話すと、亮は「やっぱり忙しいんだなあ。そっちの方がやりがいもあるんだろうけど」と素直に感心した様子を見せる。一方で、亮は地元で小さな設計事務所を立ち上げ、商店街の活性化や町おこしのイベントに関わっているらしい。「最近は空き店舗をリノベーションして、若い人が使えるスペースを作れないかって検討しているんだ。田舎だって、やりようはいくらでもあると思うんだよね」と熱く語る亮の横顔を見ていると、由香は「ああ、こんなふうに地元を思って頑張っているんだな」と胸が熱くなる。

「いつか地元の魅力を活かした施設やスポットを作りたいと思ってるんだよ。地域の人だけじゃなくて、観光で来る人にも楽しんでもらえるような場所をね」

亮がそんな夢を明るい声で語ると、由香は思わず手を止めて、「すごいね。そんなふうに地元を盛り上げようと考えてる人がいるんだ」と感心する。都会での生活にかまけて、ふるさとの現状をほとんど知らなかった自分が少し恥ずかしくなる一方、頼もしさも感じていた。

「うちの和菓子屋も、もし再開したらそのスポットの一つになれるかもね」

そう言って笑うと、亮も「もちろんだよ。夏目堂は昔から地元の誇りだからな。再開したら絶対盛り上がるって」と力強く答える。

12月26日 前編後編 12月27日 前編後編

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