星降る夜の奇跡 – 第5話

「私も、あなたと星を見る時間が、ずっと探していた安らぎだって気づいたの。あなたのそばで、もっとたくさんの星を見たいし、あなたが追いかける夢も一緒に支えたいと思う」

そう言ったあと、サヤはそっとユウタの手を握る。寒さのせいで冷えていた手同士が触れ合うと、瞬間的にぬくもりが広がり、二人の心が一つに結ばれるのをはっきりと感じた。流星がさらに数多く流れ始め、まるで暗い空を華麗な線でいくつも描いているようにも見える。その光景を見ながら、二人はどんな困難があっても共に乗り越えようと、静かに誓い合う。

冬の夜風が吹き抜け、体は冷え切っているはずなのに、不思議と心は温かさで満たされていく。一瞬の火花のように流れ去る星たちは、もしかすると儚い象徴のようにも思えるが、同時に何度でも希望を灯してくれる存在でもあるのだろう。ユウタが抱いた天文への夢、サヤがここで生きていきたいと願う想い。それぞれの選択が、夜空の輝きとともに確かな形を持って、二人の胸に刻まれる。星空は変わらずそこにあり、どんなことがあっても、また夜が来れば瞬いてくれる。その不変の光が二人に勇気を与えたのだ。

無数の流星に包まれたこの夜は、サヤとユウタの人生にとって大きな転機となる。そう確信させるほどに、夜空の神秘は雄大で、二人の迷いや不安を包み込むかのように優しく降り注いでいる。これまでは過去の後悔や未来への不安が大きくのしかかってきたが、今この瞬間、二人が見ているのは同じ夜空と、互いの決意の光だ。その星降る奇跡が、彼らに新たな希望と歩むべき道を指し示しているかのようだった。

第1話 第2話 第3話 第4話

タイトルとURLをコピーしました