「……本物か?」
玲はゆるりと笑い、震える声で答えた。
「本物に決まっている。お前たちの仲間がこうして倉庫で語っていた内容も、すべて裏付けられたんだ」
白井は唇を噛み、背後の闇に消え入るように姿を隠した。
「だが……終わりではないぞ」
残されたのは夜風に揺れる書類と、防波堤を呼ぶ波音だけだった。二人はプロジェクターと資料をまとめながら、再び夜の路地へ歩みを進めた。高橋は小さな声で言う。
「それにしても、よくあの場で取得しましたね」
玲はコートの襟を立て、余裕を装いながらも内心を引き締めた。
「最も危険な瞬間にこそ真実は手に入るものだ」
その言葉を胸に、二人は黎明の会を追い詰めるため、次の行動へ向けて歩を早めた。



















