仲間たちは、虚無の王に対抗するための決定的な手がかりを求め、古代魔法の封印と知識が眠ると伝えられる伝説の図書館へと向かった。石造りの巨大な建物は、年月の経過によって風化していたものの、威厳と重みを放ち、遠い昔の知恵が今も息づいているかのように感じられた。扉を開けると、内部には無数の書物と古文書が整然と並び、淡い光が差し込む中、埃をかぶった碑文が壁に刻まれていた。
「ここが……かつての賢者たちが知識を伝えた聖域か」
エリナが静かに呟くと、ミカエルが慎重な足取りで古びた書架に近づき、一冊の重厚な巻物を手に取った。
「この書物には、選ばれし者たちの足跡と、領域能力の起源に迫る秘密が記されているはずだ。ここにある知識が、虚無の王を封じる鍵になるかもしれない」
彼の言葉に、仲間たちは真剣な表情で頷いた。
一行は、まず図書館内を隅々まで探索することにした。ロレンスは、かつて戦場で鍛え上げた鋭い観察眼で、壁に刻まれた古代文字や紋章を丹念に読み解こうとした。
「この碑文には、古代の英雄たちが如何にして力を封じ、そして伝承してきたかが記されている。文字の意味を解き明かせば、我々の戦いに大いなるヒントが得られるはずだ」
彼の声には、これまでの戦乱を乗り越えてきた経験と、未来への希望が込められていた。